ルール形成&TaaSアーキテクチャ委員会 活動報告
目的
データスペースを横断したデータ連携や組織・企業間でのデジタル手続き等をユーザーが容易にトラストを確保しながら実現するために、実証を通じて、ユーザーガイダンス、およびリファレンスアーキテクチャーを作成すること
方針
Society5.0において、国際間での信頼性のある自由なデータ流通(Data Free Flow with Trust)等に必要となるデジタルトラストを実現するため、解決すべき課題の明確化 及び それを解決する基盤アーキテクチャの仕様作成、実証を行う。
デジタルトラストの実現に向けた社会課題
JDTFは、この課題に対するシステム向けの仕組みの解決案として、TaaS (=Trust as a Service)を提案する。
TaaS(Trust as a Service)とは、ユーザーのニーズや目的に応じた、複数のトラストサービスおよびそのコンポーネントを組み合わせ、安心・安全な情報のやりとりをオンライン完結でするためのトラストサービス、トラストアプリケーションサービスを実現する枠組みである。TaaSが普及することで、オンライン上で利用できるトラストアプリケーションサービスの相互運用性が拡大する。電子契約を例にとれば、特定の電子署名サービスに限定されることなく、様々な電子契約サービス間で用いる、電子署名の相互運用がスムーズに実現でき、特定の電子署名サービス内のユーザーの垣根を越えて広く利用者間での電子契約が可能となると考えられる。TaaSの確立には、機械可読可能な信頼あるトラストアンカーの第三者開示、トラストサービスを容易に利用するための、公的なベースレジストリのオンライン利用、基準やAPI標準化などの議論が必要となると考えられる。
TaaSのアーキテクチャ・機能の具体化、社会実装に必要となるルール・制度/国際連携に向けた検討を通じて、ホワイトペーパーの公開とガイドラインの作成および普及活動により、政府・関係団体への提言を行う。TaaSは、APIやデータ形式等の相互運用性を備えることで、業務やアプリケーション等、閉域に閉じて安全に交換されてきたデータの流通を、域間でも堅牢かつ確実に実現する。
課題解決の仕組み:TaaS(Trust as a Service)
また、TaaSの機能、仕様を実現するアーキテクチャについては、他委員会での具体的な検討とのすり合わせを行う必要があったため、2022年7月より推進委員会直下にTaaSアーキテクチャTFを立ち上げた。2024年4月にはアーキテクチャ設計・実装が一定以上具体化したことを受け、それまでの活動成果を社会実装に向けた議論をするためルール形成委員会と統合し、ルール形成&TaaSアーキテクチャとして再編している。
DFFTにおける3層構造の考え方とTaaSの利用イメージ
2022年7月から2024年4月まで、ルール形成委員会ではTaaSを利用するユーザー側のガイドライン・標準化を、TaaSアーキテクチャTFはサービス側のガイドライン・標準化を行ってきた。
ルール形成委員会とTaaSアーキテクチャTFの取り組み
具体的なユースケースをベースにシステムのシーケンスを含むシステムとしての具体化と国際連携も見据えた形での必要機能の実装・PoC実現を行う(現在外部団体と具体的なPoCを検討中)
具体的な活動
- TaaSを外部に理解される形で発信するために、WP2.0に向けた協議会内の認識合わせと外部説明を実施
- WP1.0の課題であるTaaSの定義の明確化、メリットの訴求、具体的なシーケンスとユースケースを中心
- WP2.0に向け、各WGでの検討中のユースケースベースを中心に、詳細な機能要件の明確化に関する検討を実施
公開資料
活動状況
- 原則、毎月第一、第三火曜日 13:00-14:30
活動履歴
- 2021年4月30日 協議会内部向けのホワイトペーパー1.0を作成
- 2021年12月21日 ホワイトペーパーのダウンロード提供を開始
- 2022年5月 ホワイトペーパーのダウンロード(英語版)提供を開始
-
2020年12月15日〜
ほぼ毎週開催 現在のメンバーは56名(特別会員:6、正会員:15) -
2022年7月26日~
2024年3月31日 TaaSの具体的仕様の作成とPoC実現のためアーキテクチャTFを立ち上げ、30名で活動を行った。