デジタルトラスト制度検討委員会
活動報告
活動のスコープ
包括的データ戦略で示された、トラストを確保する枠組みの実現に向け、デジタル庁等と連携をはかりつつ、トラストを確保する枠組みの基本的な考え方(トラストポリシー)のとりまとめに寄与し、国際連携を踏まえたトラスト関連制度の具体化に向けた検討を行う。
活動の概要
- 署名法のモダナイゼーションの検討における、電子署名法のリモート署名、eシール等への対応と技術基準の最新化検討への寄与
- 国際的に調和の取れたルール形成の推進(認定認証局の基準についてAdobe社とのAATL要件適合への調整:AATL認証TF
関連WGの活動① AATL認証TF
スコープ
現在の電子署名法の認定認証業務の基準は、認証局の技術、運用基準に関する国際的な基準に対比した評価が無く、国際的な認知がされていません。そのためAdobe Approved Trust List(AATL)プログラムの基準と電子署名法の基準のマッピングを行い、国際通用性を確保できる基準を検討しています。
活動内容
「AATL Technical Requirements2.0」が参照する「ETSIやWeb Trustの要求事項」と、「電子署名法および同施行規則等」とのマッピングを実施します。マッピングに基づき、電子署名法側の不足点を抽出し、国際通用性を確保できる電子署名法の認定基準案の検討を行います。
Adobe Approved Trust List:AATL
電子署名付データの受領側は検証を行います。PDFファイルへの電子署名が一般的ですが、PDFビューワーとして普及しているAATLプログラムを用意し、電子署名の検証を自動的に行います。
AATLに登録されるためにはTechnical Requirementsに挙げられる要件を満たし、第三者に適合性を評価してもらう必要があります。AATLでは、以下の監査スキームを認めています。
(a) ETSI EN 319 411-1 NCP;
(b) ETSI EN 319 411-2 QCP-n or QCP-l;
(c) WebTrust for CA v.2.0 or later;
(d) ISO 21188:2006.
日本では電子署名法に基づく認定認証事業者が電子署名用途の電子証明書を発行しています。
電子署名法および同施行規則で示される基準は、上記AATLで求められる基準とは少なくとも同等程度とは言えず、もし認定認証事業者がAATL対応を行う場合は「電子署名法」に基づく認定を取得し、且つAATLで求められる基準を満たして監査を受ける必要があります。
一方で例えば、EUにおいては、ETSIの基準を満たすことでEU基準を満たすことでAATLにて求められる基準も同時に満たすことが可能です。
日本においても、少なくともEUのような体系であることを目指し、AATL認証TFでは電子署名法もモダナイゼーション観点から検討を進めています。
開催日
週1回
関連WGの活動② eシール制度検討WG
スコープ
デジタル庁のサブワーキンググループで取りまとめられた報告書※に基づき総務省にて推進されるeシールの制度検討を支援する。
※参照:トラストを確保したDX推進サブワーキンググループ報告書
令和4 年(2022年)7月29日
III.トラスト実装に向けた今後の取組
eシール等に関する制度整備:今後、オンライン取引・手続において、発行元に関する証明のニーズが高まることが想定されるため、総務省が令和3年(2021年)6月に公表した「eシールに係る指針」に基づき、eシールの民間サービスの信頼性を評価する基準策定及び適合性評価の実現に向け、総務省の取組を支援すべきである。
活動内容
eシール利用者ガイドライン-TF(利用側)と協調しつつ、総務省担当室との調整を実施
総務省「eシールに係る検討会」への意見等をJDTFとしてとりまとめる。
開催日
定例:隔週(第1、第3金曜:15:00~16:30)
必要に応じてAdhocで会議
委員会の構成
活動状況
- 毎月開催
活動履歴
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2021年2月~2022年3月
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内閣官房 IT総合戦略室
2021年2月~5月 データ戦略TF配下「トラストに関するワーキングチーム」の事務局支援
2021年6月~8月 「日本における包括的なトラストの枠組み整備に係る調査研究」実施 -
デジタル庁 2021年11月~「トラストを確保したDX推進SWG」支援活動を実施
https://www.digital.go.jp/councils/trust-dx-sub-wg
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内閣官房 IT総合戦略室
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2022年4月~
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AATL認証TFの立ち上げ
現在の電子署名法の認定認証業務の基準は、国際的な基準に対比した評価が無く国際的な認知がされていない。
そのためAATLなどの海外基準とのマッピングを行い、国際通用性を確保できる基準を検討する -
デジタル庁-JDTF 勉強会の実施
第1回 トラストサービスの現在に至る経緯とその課題について
第2回 電子署名法の課題について(1)
第3回 電子署名法の課題について(2)
第4回 国際相互連携をふまえたトラストサービスについて(1)
第5回 国際相互連携をふまえたトラストサービスについて(2)
第6回 電子署名法のモダナイゼーション・eシールに向けた基準検討状況
第7回 Trusted Web(SSI,DID,VC)とTrust Serviceの関係整理
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AATL認証TFの立ち上げ