デジタルトラスト協議会（JDTF）

本委員会では、Society 5.0における産業の競争力強化と価値創出を支える「トラストなサプライチェーン」の実現をめざして活動しています。そして、このような「経済価値」だけではなく、国家・経済安全保障の観点、或いはサスティナビリティ、グリーン化など、人々や企業に恩恵をもたらす社会（社会価値・持続可能性など）の実現に向けて、「トラストなサプライチェーン」の重要性・注目度はますます高まっています。

私たちは、Society 5.0においてサプライチェーンに以下の大きな変化が生じると想定し、それによる課題と解決に向けた要件、実現方法、提言などをまとめ、Society 5.0に求められるであろう「トラストなサプライチェーン」の実現に向けて積極的に発信していきます。

1. サプライチェーンのデジタル化
   企業間取引（調達）、製品・サービスの製造や提供、アフターサービスなど、サプライチェーンやライフサイクルのあらゆる工程、過程でデジタル化が進んでいます。
2. ニーズの多様化や外部状況、市場の変化
   Society 5.0では、消費者のニーズが多様化し、外部環境や市場の変化もますます激しくなると予想されます。このような変化に柔軟に対応し、製品・サービスなどの価値を継続的に市場に供給可能な、柔軟で強靭なサプライチェーンが求められると考えられます。
3. サプライヤの多様化、サプライチェーンの構造変化
   IoT、AI等のさまざまな高度なデジタル技術が普及すると、企業はこれらの技術を1社で抱えるのではなく、外部事業者の製品/サービスの活用、依存をより強め、さまざまなサプライヤ、ステークホルダがサプライチェーンに関与するようになり、その構造はますます複雑になります。
4. サプライチェーン全体に課せられるルール、規制への対応
   デジタル技術の活用を通じて実現する新たな社会に対応するための、サプライチェーン全体に課せられるルール作りがグローバルに進んでいます。製品・サービス提供者は、サプライチェーン全体でルールに従っていることを説明しなければならず、説明できない場合は、市場からはじき出されたり、巨額な制裁金が課せられるため、ビジネスに大きなリスクを負うことになります。


本委員会では、こうしたSociety 5.0におけるサプライチェーンの課題を解決するために、「サプライチェーンの信頼性を、サプライチェーン全体で評価、検証可能な仕組み」を社会に普及させ、安心・安全で人々や企業に恩恵をもたらすデジタル社会の実現に貢献していくことをめざしています。